【コラム】キャリアについて 第四回
長い就職活動を経て入社を果たし、誰もががむしゃらに頑張る時期が必ずあります。しかしその反面、必ず「このままでいいのかな?」「本当にこの会社で一生やっていくのかな?」と自分のキャリアを見直し自問自答する「キャリアの棚卸」の時期もやってきます。
他の会社に勤めている友人や知人に相談することはできますが、現状を理解していない故に適切な回答は得られないでしょう。また、同僚の社員に聞くことも出来ないことはありませんが、基本的にはよほど仲の良いスタッフ同士でなければあまり本音も聞き出せません。結局のところ自分との戦いになるのです。
従来の終身雇用型雇用でのキャリア意識は「経歴=社内内部での昇進の度合い」で、筆者が新卒で入社した会社でもランクや号数に伴う昇給制度があって、皆評価ポイントを得て次のキャリア・アップを社内で狙っていました。何歳までにチーフになって、その年までには主任になって、店長には主任を3年やってからなって・・・と将来の「キャリア・パス=道しるべ」が見えていたのです。社内に存在するポストを見て、あのポジションになれば給料もこれだけ増えるだろうという見通しもついていました。
その当時の日本の企業は経営環境や組織体制が比較的安定しており、ミスをいかにしないかどうかが「勝ち残る」ことにつながりました。いくら社にとって良いようなことをトップに進言しても、「出る杭」とみなされれば左遷や配置転換、場合によっては退職に追い込まれ「負け組」のレッテルを貼られてしまいます。終身雇用型雇用の中においては誰もが先輩方が作ったレールの上に乗って定年という終着駅に無事に着くかどうかを考え、その中での「キャリア=社内昇進(昇給)暦」を」追及していたのです。
しかしながら今ではグローバリズム、年功序列型システムの崩壊等で上述したようなキャリア意識は日々変化してきています。第1回で「マズローの欲求」について述べました。最初は「パンを食う為に」仕事をしているのが、やがて「社会的自我の欲求」(社会の中で認められたい)が大きくなり、最終的には「自己実現」をしたいとステップアップしていく・・・という説ですが、キャリアの意識も、自身の専門能力の向上(もっとこの分野を極めたい、勉強したい)、自身の使命感・人生観の実現(もっと人の役に立つ仕事がしたい)、自身の社会的認知度の向上(もっとこの業界で有名になりたい、認められたい)といった点で自らを動機付け、自身のキャリアを作っていく考え方が近年出てきています。年功序列の中での「内部昇進志向」とは全く反対で、自分のやりたいことを実現するために「会社の箱」を選ぶという意味で「外部転職志向」とも言えます。
弊社に相談に来られるローカルの求職者は、会社の業績悪化により自身の首を切られても全く意に介していない方が多く少々驚きますが、「企業は決して安定しているものでなく将来にわたり雇用や給料を保証してくれるものでもない」という考えが当たり前になっているからでしょう。日本人のキャリア意識も昨今の経営環境の厳しさからかなり変わってきています。
次回はキャリア・デザインについて述べていきます。