【コラム】就業規則について 第七回


弊社によくご依頼を頂く案件のひとつに「マタニティーリーブ(出産休暇)」の代替人材があります。現地の方は出産ぎりぎりまで出社し産後に休暇をたくさんとる傾向があるため、おなかの大きい人が普通にMRT(地下鉄・高架鉄道)で通勤している風景をよく見かけます。 

雇用法では、休暇期間は12週間、そのうち有給休暇日数が8週間で、無給休暇期間が4週間となっています。ただし制限があり出産回数は2回目までという制限があり、出産までに90日以上の労働期間が必要とも定められています。 

以前、京都大学の大学院を卒業された人材を、某化粧品メーカーの社長秘書としてご紹介したことがあります。破格の待遇で迎えられましたが、入社して2ヶ月も経たない内に「妊娠5ヶ月」を告げ、産休を申請されたのです。その社長からは「人材紹介会社は妊娠している人を送り込むのか!!」と怒鳴られてしまいました。勿論臨月でもない限り本人の自己申告なしでは、それを見分けることは出来ませんし、また結婚していて子供がいない場合などでは、プライベートな領域ですので尋ねることもできません。

経営者は、経理等、女性社員の多い部署ではこうしたことが起こり得ると想定しておくべきでしょう。ちなみに弊社では、社内規則で出産前の労働時間を180日以上としています。

なお、出産休暇に関しては、シンガポール人以外の従業員も就業規則内では分別する必要はありません。例えば、日本人の現地採用の既婚女性が産休を申請した場合も同様に付与しなければなりません。 

雇用法の他に、Children Development Co-savings Act(児童育成共同貯蓄法)という法律があります。両親が法律上結婚しており、かつ生まれる子供がシンガポール国籍となる場合、被雇用者は有給休暇期間16週間が付与されます。雇用主は雇用法の適用範囲のみ有給休暇分の給与を負担し、範囲を超える部分は政府が補償します。ただし「シンガポール人を生んだ場合のみ」というのがポイントです。 

育児休暇は、雇用法で7歳未満の子供がいれば、人数に関らず年2日の有給休暇が取れるよう定められています。その際、3ヶ月の雇用期間が必須となります。雇用法の他にChildren Development Co-savings Actでも別途、対象となる子供がシンガポール国籍を有し、両親が合法的に結婚している場合、雇用主が3日分の給与を負担、残り3日分を政府が負担して、合計6日の休暇が付与されます。出産休暇でも育児休暇でも出生子がシンガポール人か否かでベネフィットが違ってくるのです。 

そのほかにも雇用法には規定のない、結婚休暇、慶弔休暇、試験休暇、夫の出産立会い休暇などを特別にスタッフベネフィットとして就業規則に盛り込んでいる事例もあります。 

次回も引き続き就業規則の組み立てについて述べていきます。

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