【コラム】就業規則について 第六回
シンガポールは祝日が少ないので、有給休暇の日数は従業員にとって重要です。有給休暇については前回述べましたが、有給休暇の他に傷病休暇(もしくは病気休暇=Sick Leaveといいます)があり、通称MCと呼んでいます。MCとはMedical Certificateの略で、医師の診断書のことを指します。
昨年の1月1日の雇用法改正では、全ての雇用法適用者に範囲が拡大され、適用開始期間が入社後6ヶ月から3ヶ月に短縮されました。日数は入院なしで年間14日まで、入院ありで年間60日までとなっています。大抵の企業が「14日のMCあり」としています。これはあくまでも従業員がやむなく病気になってしまった場合、医師の診断書を携えて、病気休暇を取得できる権利で、別に何も無ければ使う必要はないのですが、一部の従業員の中には「使わないと損」と考える人もいます。変な言い方ですが、計画的に病気になるケースもあり、上手く活用しない同僚を嘲笑する場合もあるようです。
日本の場合医師の診断書を取るのには1件3000円(保険適用外)と高いコストが掛かりますが、当地の個人経営のクリニックでは、頼んでもいないのに3秒くらいで書類を仕上げ、薬と一緒の袋に無造作に入れてくれたりします。ちょっと頭が痛いので近所のクリニックに行って30Sドル程度の医療費(診断+薬)を払って休暇が取れるので、14日分をまるまる使う従業員もいます。ただし、法律上は問題がないので、会社としては認めざるをえないのです。以前は会社の指定したカンパニー・ドクター以外は認めない企業が多かったのですが、法改正ですべての公的医療機関からの診断書を利用できるようになりました。いずれにしても就業規則を作る際には、通院病気休暇は14日、入院病気休暇は60日を盛り込むべきでしょう。
さて、祝日についての追記です。シンガポールの祝日はMOMから毎年発表されます。昨年は11日で、日本の祝日の15日に比べると少ないのです。Deepavaliというヒンドゥー教徒の新年の祝日があるのですが、年初に会社の年間カレンダーを作るにあたり、MOMで調べたところ昨年は11月15日で日曜ということもあり、次の日の月曜日を振替休日としていました。しかし突然10月17日の土曜日に変わり、土曜日が休日の企業は次の月曜日を振替休日にしているところが結構ありました。この件は特に大きな報道もなかったのですが、知っている人は知っていたようです。弊社のように事情を知らなかった企業は普通に勤務をしており、月曜日に顧客の携帯に電話をしたら、お休み中のパパの電話を受けた子供が出てびっくりしたということがありました。このように祝日の設定方法も若干複雑です。結局このケースは土曜はNon-Working Day(Rest Dayとは意味合いが少し違います)なので、賃金の支払いか、代休を1日支給することとなっています。振替休日は日曜日に祝日が入る場合です。従って弊社の場合は従業員に支払いせず、有給休暇を1日加算しました。
次回も引き続き就業規則の組み立てについて述べていきます。

